2025/09/11 10:57


9月になりました。今月は秋の味覚「さつまいも」についてお届けします。しかし秋とは名ばかりで、地球温暖化の影響で今年も残暑が厳しそうです。ですが、そんな状況とは裏腹に、さつまいもの生育状況は順調で、例年より早くに収穫される所もあるようです。

実はさつまいもの原産地はメキシコを中心とした熱帯アメリカです。そうなんです。暑さにはとても強いんです。そして長い歴史があり、紀元前800〜1,000年(日本は平安時代)に誕生しました。そして諸説ありますが、15世紀にコロンブスがヨーロッパへ持ち帰ったことでヨーロッパで広まり、東南アジア→中国→日本という流れで日本にやってきました。江戸時代頃に、薩摩(鹿児島県)から全国に広がったことが「さつまいも(薩摩芋)」という名前の由来です。

さつまいもは、その甘みやホクホクとした食感が魅力ですが、近年ではその栄養価の高さにも注目が集まっています。 特に健康志向が高まる現代において、さつまいもは健康維持や美容に役立つ食材として再評価されています。さつまいもには多くのビタミン(ビタミンA、C、E)、ミネラル(カリウム、鉄、カルシウムなど)、そして食物繊維が含まれています(後ほど詳しく説明します。)更にさつまいもの皮に豊富に含まれるベータカロテンは、体内でビタミンAに変換され、視力維持や免疫力強化に貢献します。ベータカロテンは抗酸化作用が強く、フリーラジカルを中和して細胞の老化を防ぐ効果があるのです。これにより、心血管疾患やがんのリスクを低減する可能性も示唆されています。 ベータカロテンを日常的に摂取することで、健康維持に大きな効果が期待されるでしょう。


                                                                 

さつまいもは、食物繊維が非常に豊富な食材です。食物繊維は、腸内環境を整える役割を果たし、腸の働きを活発にします。さつまいもに含まれる食物繊維はなんと2種類です。食物繊維にはそもそも2種類あることをご存知でしょうか?水に溶けない「不溶性食物繊維」と、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」です。ですが、両方とも含まれている食材はそんなに多くありません。そういう理由で貴重な食材だと言えそうです。

詳細は以下です。
不溶性食物繊維
腸の蠕動運動を促進し、便通をスムーズにします。これにより、便秘の改善や腸内の老廃物の排出が促され、腸内フローラのバランスを整えます。
水溶性食物繊維
腸内でゲル状になり、便を柔らかくする働きがあります。腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える効果が期待されます。
さつまいもを摂取することで、これらの食物繊維が腸内の老廃物の排出を促し、腸内環境の改善に寄与するでしょう。

不溶性と水溶性の2種類の食物繊維、どちらか一方のみではなく両方摂取することが重要となります。食生活において重要になってくるのは「バランス」です。日本人は食物繊維が不足傾向にあります。ですので、意識的に食物繊維の摂取を心がけてみるといいかもしれませんね。ただしさつまいもばかりを食べればいいという訳でありません。こちらもバランスが大事になってきます。

いよいよ「食欲の秋」到来です。腸にも優しい秋になるように、美味しいさつまいもをぜひぜひ堪能して下さいね。

次回はさつまいもレシピをお届けします。お楽しみに。