2024/06/28 13:53

いよいよ7月。今年は例年になく梅雨入りが遅かったので、晴れ渡る夏空を拝める日はまだまだ先の事かもしれません。7月と言えば「七夕」。七夕(たなばた・しちせき)とは、季節の節目(節句)に行われる年中行事のことです。3月3日の桃の節句(ひな祭り)や、5月5日の端午の節句(子どもの日)などと並んで、節句の中でも重要な「五節句」のひとつに数えられます。
「七夕」と言えば、織姫と彦星の七夕伝説の話が有名ではないでしょうか。恋に落ちた織姫と彦星が仕事をする事も忘れ遊び暮らす様になり、この様子を見かねた天帝により天の川を境に離ればなれにされ悲しみに暮れる。それを不憫に思った天帝は、しっかりと仕事に打ち込むことで、一年に一度七夕の夜に会えることを約束した物語です。実は天文現象としても織女星と牽牛星の二つの星は旧暦の7月7日に天の川を挟んで最も光り輝いているように見えることから中国ではこの日を一年に一度のめぐりあいの日と考えています。
また七夕というと短冊に願い事をしたためて笹に飾り願掛けをします。これは中国の宮中行事『乞巧奠(きっこうでん)』が由来です。この七夕の日に短冊を飾る理由ですが、奈良時代に乞巧奠が伝わった時には裁縫、手芸の上達を祈ったことから糸が供えられていました。しかし昔は糸が大変高価だったため、一般庶民は糸を入手するのが困難な時代でした。この糸の代わりに紙を切って供えていたのが短冊の始まりだと伝えられています。現在も、裁縫、手芸に限らず、書道や芸事の上達を願う行事として続いています。